コーヒービジネスに関わる企業が、どのように環境問題に取り組んでいるかということを、前回ご紹介しました。今回はドイツでのお話です。
ドイツの新興企業、「Kaffeform」が(ドイツ語を知らない私としては、この会社の名前をいったいどう読めばいいのか分かりませんが)、たいへん面白い事業に取り組んでいます。コーヒーを作った後のコーヒーの残りを、カップやフタに使うというのです。
コーヒーの残りというと、何だか分かりにくいかもしれませんが、コーヒーショップでコーヒーを作った後に捨ててしまう、いってみれば、「コーヒーの出しがら」のようなものです。今では、一般家庭でも、コーヒーメーカーを使った後に捨ててしまうことが多いと思います。それです。
そういえば、昔は、今ほどタバコに対して厳しい時代ではありませんでしたから、喫茶店の灰皿にコーヒーの出しがらが、恐らくは消臭目的として入れられているのをよく見ました。自分の家でもそれを真似したりしました。
このドイツのベンチャー企業は、その「コーヒーの残り」を使って、コーヒーカップやフタを作ろうというのです。食洗機で洗っても長持ちするし、もし捨ててもすぐに自然に帰るとか。これが本当に実現すれば、確かにエコ問題の大きな解決策かもしれません。
『四季の珈琲』2019 vol.48