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珈琲ぜんざい考

コーヒーを使ったメニューは数々あります。

コーヒーフロートやコーヒーゼリーなど、

アイディア一つでバリエーションも広がります。

今回は和との相性もばっちりな「珈琲ぜんざい」の紹介です。

 

 「珈琲ぜんざい」というメニューがあるのをある日新聞を読んでいて知った。たやすく、コーヒーとぜんざいが混ざったものだろうというのが想像できた。甘いぜんざいとほろ苦いコーヒーの味が飽きることなく食べられるような感じがする。何しろ甘いものが苦手な私は時にぜんざいだけを食べていると飽きてきてしまうのだ。

 

 しかし、私が居を構えるそばでは珈琲ぜんざいのメニューはない。そこでインターネットで検索してみると、結構ヒットした。中には「珈琲ぜんざいゼリー」なる商品もあった。お持ち帰り用にパッケージされた珈琲ぜんざいもあり、なかなかなにぎわいだ。

 

 発祥の地はどうやら、京都にある喫茶店のよう。昭和49年10月に誕生したという。ガラスのカップに小豆とアイスクリームが入っている。そこに冷たいコーヒーを注いでいただくというもの。

 

 ほかにも、名古屋や鎌倉、岡山など日本各地の喫茶店のメニューとなっているようだが、白玉や焼いたお餅など、基本はやっぱりぜんざい。甘い汁部分がコーヒーになっているようだ。しかし、名古屋では金粉がさらにトッピングされている珈琲ぜんざいもあるよう。さすが……とうなるしかない。

 

 

 金粉はともかく、それ以外なら、手に入る材料で自分にも作れるかもしれない。そう思い、缶詰のあずきに白玉を乗せ、コーヒーを注いでみた。冒頭に書いたように想像した通りの味だ。甘さと苦みがよく合っている。しばらくおやつの定番になりそうな気配がする。

 

 

『四季の珈琲』2013 vol.36