糖尿病になりにくい率が高いのは?
昭和30年代から増えている糖尿病。国内11の保健所と国立医療センターによるコホート研究の調査データによると、コーヒーを飲む人の方がコーヒーをほとんど飲まない人よりも、糖尿病にならない率が2割くらい多いという結果が出ている。
1日にコーヒーを5〜6杯飲む人は糖尿病の発症が少ないという調査結果もすでにあるというが、神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門准教授である小川渉氏は、「コーヒーの中に含まれるカフェインが糖尿病予防に役立つのではないか」と考える。
カフェインの働きと糖尿病予防
糖尿病には、いくつかの種類があるが、食べすぎや運動不足、酒の飲みすぎといった生活習慣が関係する「2型糖尿病」が日本人の95%を占めている。
その原因として、①インスリンの分泌が悪い場合、②インスリンの感受性が悪い(インスリンの効き目が悪い)場合の2つを挙げた。②に関しては運動や肥満解消が改善につながることがわかっている。そこでカフェインが糖尿病を予防する役割を果たすかもしれないと考えられるのだ。
このような研究結果を目にすると、今後のコーヒーと糖尿病の関係についてさらなる研究結果が待たれるところだ。
『四季の珈琲』2012 vol.35
参考・引用文献