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時代の移り変わり考

100年以上続いた老舗カフェ「Caffee Dante」が、今年惜しまれつつ閉店。

 

 「Le Figaro Cafeフィガロ・カフェ」、「Caffee Reggioカフェ・レッジオ」、「Caffee Danteカフェ・ダンテ」、これらの3店舗はニューヨーク・グリニッチビレッジにある3大カフェと言われているほど評価が高い。

 しかし今年3月、残念なニュースが世界を駆け巡った。その3大カフェの一つである「Caffee Dante」が閉店したのだ。閉店の噂は以前からあったが、今回はその噂が本当になった。100年以上続いた家族経営のカフェで、コンピュータは使わない、現金払いのみを貫き、そして熱烈な「Caffee Dante」信者といえるシニア層が店の外にあるテーブル席に座り、コーヒーを少しずつ飲みながらチェスに興じる姿は、店の象徴ともいえた。 ニューヨークに行くと必ず訪れた「Caffee Dante」。エスプレッソが絶品だったが、デザートの酒類も多く、加えてサンドイッチや前菜的なものも美味しく、幸せな時間を過ごせた。

 

 家賃の高騰が閉店の理由

 

 閉店の理由は、「高騰する家賃の支払いに勝てない」、だそうだ。しかし「Caffee Dante」は閉店するが、店の権利をオーストラリアの「Australian restaurant group」に譲渡されたので、店の名前は残る。

 閉店に関して、メディアが取り上げ、利用したことのある人は、ツイッターなどSNSを通じて、その閉店を惜しんだ。このような様子を見ていると、伝説とはこうして生まれるのだろう、実感した。

 

 

 

 『四季の珈琲』2015 vol.40