· 

「コーヒーを飲むと長生きできる」 というニュース

「Coffee drinkers live longer - perhaps」──これは最近、イギリスの国営テレビ放送局、BBCのホームページで見かけたニュース記事のタイトル。日本語に訳すと、「コーヒーを飲む人は長生きする──かもね」といった感じだろうか。タイトルの最後の「perhaps(たぶん、〜かも)」が、ちょっといたずらっぽい。

 

 記事によると、イギリスの研究者らが、ヨーロッパ10カ国、35歳以上の、約50万人を対象に研究調査を行った。そして、コーヒーを飲む人ほど長生きするという結果を導き出したというのだ。1日3杯のコーヒーを飲むと、死亡のリスクを下げ、より長く生きることができるという。研究者の中には、毎日1杯のコーヒーを飲むことで、平均して、男性ならば約3カ月、女性ならば約1カ月寿命が伸びると計算できると言う人もいるという。

 

 もっとも、この研究に対し、疑問を投げかける向きも少なくない。懐疑的な専門家は、コーヒーそのものに健康効果があるのか、あるいはコーヒー愛飲家の生活様式がより健康的であるのかが、この研究では分からないと指摘している。

 

 例えば、1日にコーヒー3杯を買う余裕がある人は、生活がより豊かであるかもしれないし、何か健康維持にお金を使っている可能性もある。社交的行動により多くの時間を費やし、それが生活向上を後押ししている可能性もある。

 

 また、研究では、開始時に糖尿病、心臓発作や脳卒中を持っていた人を除外しており、そうした疾患を持つ人がコーヒーを飲んだ時のリスクは不明だ。

 

 というようなことで、この記事の結論は、「コーヒーを飲むと長生きできるかは不明」。そして、「コーヒーを飲むかどうかは別として、最寄りの喫茶店まで20分元気よく歩いてみるのがいいのでは」と結んでいる。

 

『四季の珈琲』2017 vol.45

 


参考・引用文献