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ねこカフェ考

「ネコ」が人々の間を取り持つ「ネコカフェ」 

 

 2004年、大阪市にある「猫の時間」が開店した。以来、ネコを店内に放し飼いにして、ネコと触れあうことができる、いわゆる「ネコカフェ」開店の勢いが止まらない。現在、日本各地でネコカフェがオープンし、ネットを検索すれば「全国猫カフェマップ」というサイトが上位にヒットする。

 一般的な店の形態としては、2つのパターンがある。1つは、店内に数匹のネコが放し飼いにされており、利用者はコーヒーや食事を楽しみながら、ネコと触れあうもの、2つ目は、ネコとの触れあいの場所とコーヒーなどを楽しむ場所は分かれている、というものだ。

 「ネコが好き」というそれだけで心理的な距離がぐっと縮まり、仲良くなれる。街中でも野良猫に餌をやりはじめたのがきっかけで、つきあいが始まるというケースもよく聞くが、それがネコカフェの中でも繰り広げられ、「ネコ談義」が始まる。そんな「広場」のような役割を持っているのが「ネコカフェ」なのだ。

 

  世界に広がる「ネコカフェ」

 

 「ネコと触れあうことができる」というのが、ネコカフェの目的だが、殺処分される予定のネコを保護し、里親を見つけるという目的のカフェもある。

 ネコカフェの存在は日本だけではない。世界各地にも登場するようになっているが、世界初のネコカフェは、1998年にオープンした台湾の台北市にある「猫花園」だという。

 

 

 

 『四季の珈琲』2015 vol.41