· 

コーヒーの聖地考

コーヒーで県おこし。鳥取県の躍進が止まらない。 

 

 本誌42号のこのコラムでも紹介した鳥取県の「すなば珈琲」の話題。2014年4月に、当時日本で唯一、アメリカ大手カフェーチェーンの「スターバックス」が県内に無かったことを逆手に取り、「鳥取にはスタバはないけど、日本一のスナバがある」を同県知事平井伸治氏に発言させ、一躍有名になったカフェである。

 

 その鳥取県が今回は9月23日に、鳥取県は「コーヒーの聖地」であることを宣言した。鳥取県に住んでいたこともある筆者は、島根県と並んで、「コーヒーの聖地」であるということを、住民の方からよく聞いた。なぜなら、いわゆる過疎地域と言われる同県日野町黒坂地区にある地域住民のためのサロンで出されているコーヒーは、豆をその都度挽き、一杯一杯ドリップして提供され、専門店並のおいしさだからだ。

 

 また鳥取県を拠点にコーヒー商品を全国展開する米子市にある澤井珈琲や服部珈琲など、コーヒー文化を独自に繰り広げていることも見逃せない。

 

 その理由を、「お茶文化が発達していたから」と言う人も多い。

 

そして9月23日から10月2日にかけて同県で「世界コーヒーサミット」を開催した。「コーヒーの聖地とっとり」宣言は、このイベントの中で実施された。

 

 前述したように島根県でも地域の住民から「コーヒーの聖地」という言葉を聞いた。実際目を引くカフェも多い。さて、島根県はどうするのだろうか。 

 

 

 

 『四季の珈琲』2016 vol.43