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コーヒーを買うことができない 貧しい誰かのためだけではない、 「SUSPENDED COFFEE」の フェイスブックページの タイムラインに癒される。

 イタリア発相互扶助の精神

 

 「Suspended Coffees」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「サスペンデッドコーヒー」は、日本では「保留のコーヒー」と訳されている。

 「保留のコーヒー」は、イタリアで始まったものである。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェイスブックで広がり、米国や英国、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、日本等で「保留のコーヒー」のフェイスブックページがある。

 「保留コーヒー Suspended Coffees Japan」のフェイスブックページには、「イタリアの伝統的な助け合いの精神に基づくこの運動は「保留のコーヒー」と呼ばれます。参加者は「賛同の意志を示すカフェに行き、温かいコーヒーを買う事ができない貧しい誰かのために、料金を前払いすることができます。

・保留コーヒーって何?

 あなたがカフェで「保留のコーヒー」のための代金を支払っておくことによって、貧しくてコーヒーを買えない誰かが、そのコーヒーを受け取ることができます。

・どんな仕組みになっているの?

 例えば、私は2杯のコーヒーを購入します。1杯は自分の分、もう1杯は「保留」で。するとコーヒーが必要な人がそのカフェにやってきて、カウンターで尋ねます。「保留のコーヒーはありますか?」」

 

 私が「保留のコーヒー」を知ったきっかけは、実は今思いだそうとしても思い出せない。フェイスブックを見ていたら私の友達の誰かが「いいね」を押して、シェアされたのかもしれない。しかし、偶然に見ることになった「保留のコーヒー」のタイムラインは私の心を捉えた。

 「GOOD FRIENDS HELP YOU TO FIND IMPORTANT THINGS WHEN YOU HAVE LOST THEM.....YOUR SMILE, YOUR HOPE, AND YOUR COURAGE. Doe ZANTAMATA」

 その頃、私はいろいろうまくいかなくて落ち込んでいて、自信もなく、笑顔も出ず、希望なんて持つことができないぐらい追い詰められていた。そんな時このタイムラインを見て、そんな私に一生懸命寄り添ってくれている友人らがいることを改めて気づかせてくれたのだ。

 もちろん、だからといってすぐに元気になって、万事うまく回り始めるほど単純ではないけど(何しろまだ継続中だし、なかなか抜け出すことが難しそうな状況であるから)、なんとかふんばろうと思うことができたのだった。

 「保留のコーヒー」の過去のタイムラインを遡るとじんわりきたり、ほっとしたりするちょっとした内容が掲載されていた。

 夢中で読んでいるうちに、「保留のコーヒー」に関してとても興味が沸いてきた。調べてみると、前述したように、SNSで世界中に広がり、日本にも取り組みに賛同するようにフェイスブックが立ち上がっていた。

 世界中に広がる助け合いの気持ち、SNSの凄さを感じただけでなく、時代は確実に変わっていると実感した。

 

SUSPENDED COFFEES

http://suspendedcoffees.com

https://www.facebook.com/SuspendedCoffees 

 

『四季の珈琲』2018 vol.46