· 

カップと味

カップやマグでコーヒーの味が変わる

 

 インターネットを見ていたら、“Time to ditch your favourite coffee mug and opt for a tulip shaped one instead”(お気に入りのマグカップを捨てて、チューリップ型のものを選びましょう)という話をしているページに出会いました。同じコーヒーでも、それを入れる容器によって香りや味わいが変わるというのです。中でも、チューリップのように、上の方が下の方よりも狭くなっているものの方が、香りや味わいがよくなるというのです。ワイングラス(の上の部分)のような形ですね。

 

 容器によって味が変わる、ということについては、「確かにそういう面があるかもしれない」と思いました。例えば、個人的には、コーヒーは紙のカップから飲むよりも、陶器か耐熱ガラスのカップから飲む方が美味しいような気がします。缶ビールにしても、多くの友人は、缶に口をつけて直接飲むよりも、グラスに移した方が美味しいと言っています。

 

 ただ、冒頭で紹介した話は、そうした、容器の素材の話というよりも、同じ陶器やガラスであっても、その形に関するもののようです。例えば同じ陶器であっても、チューリップ型で飲むのが美味しいという……。

 

 実はウェブサイトでは、これに反対する学者の意見も紹介されていました。「容器の形によって美味しさが変わるというのは、単に心理的なものであり、実際には、認知できるような違いはないはず」というコメントです。ただ、考えてみると、たしか赤ワインと白ワインでは使うグラスが違います。これはただの慣習なのか、味を追究した人類の知恵なのか、どうなのでしょう?

 

 最終的には自分で判断するしかありません。チューリップ型のカップを試してみましょうか(洗うのが面倒な感じもしますが)。

 

 

『四季の珈琲』2018 vol.46


参考・引用文献